光を見た ハンセン病の同胞(きょうだい)たち 趙根在(チョウ・グンジェ)
炭鉱からハンセン病療養所へ。
炭坑夫から写真家へ。
稀有な写真家はいかにして誕生したのか。
療養所での労働の担い手としての、ハンセン病の記録者としての、朝鮮半島出身者及び在日朝鮮人の存在を抜きにして、日本のハンセン病史は成立しない。
- 趙根在(チョウ・グンジェ)
- 定価2420円(税込)
- 四六判 336頁
- 978-4-906681-66-2
日本のハンセン病史を語る上で決して忘れてはならない表現者(写真家・文章記録者)である趙根在(チョウ・グンジェ)の存在を広く知ってもらうために、彼の書き綴った回想録と撮影写真48点を収録。また、回想録のほかに、炭鉱での労働体験と、上野英信との出会いと別れにも触れた文章と、父世代の在日朝鮮人一世への聞書も併せて収録。
愛知県生まれの在日朝鮮人2世の元炭鉱労働者、写真家(1933年~1997年)。中学三年から炭鉱で働き、その後、映像制作現場での照明の仕事などを経て、1961年より多磨全生園を皮切りに、全国のハンセン病療養所を訪れ、ほぼ20年間にわたり、入所者、建物・施設、行事などハンセン病関連の写真を撮影する。その点数は少なくとも2万5000点におよぶ。1982年以降は、写真撮影から離れ、ハンセン病問題の根源を問い直す研究に打ち込む。撮影フィルムやその他の文書類(メモやファイル)などの資料は国立ハンセン病資料館に所蔵されている。
写真集に『趙根在写真集 ハンセン病を撮り続けて』(2002年)、『詩と写真 ライは長い旅だから』(1981年、詩・谺雄二)、監修書に『写真万葉録・筑豊』(全10巻、1984~86年、共同監修者・上野英信)がある。
在日総合誌『抗路』11号
論考・インタビュー、エッセイ、座談など多彩なスタイルで「在日」にまつわるテーマを表現する。
お待たせいたしました。
1年ぶりとなる内容充実の11号刊行。
- 本体1500円+税
- A5判 230頁
- 978-4-906681-65-5
生と死―ある「在日」の断想 尹健次(ユン・コォンチャ)
「在日」2世の思想史家が最後に遺す想い
- 尹健次(ユン・コォンチャ)
- 四六判 264頁
- 978-4-906681-64-8
【著者紹介】
尹健次(ユン・コォンチャ)
1944年、京都市生まれ。
神奈川大学名誉教授。『在日総合誌 抗路』編集委員。
近代日朝関係史、思想史専攻。
主な著書に、『孤絶の歴史意識』『現代韓国の思想』『思想体験の交錯』『「在日」の精神史 全3巻』(以上、岩波書店)、『尹健次詩集 冬の森』(影書房)などがある。
在日総合誌『抗路』10号
第10号発売。
今号も「在日」を取り巻くテーマに関する力作論考満載!
「在日」について考えることは「日本」を知ること。
- 本体1500円+税
- A5判
- 978-4-906681-63-1
第10号をお届けします。刊行から7年を経て、10号にまで届きました。今号の特集は「在日」の見取図。「在日」「在日論」の未来は? 誰にも見通せない問いをともに考えるために。
特集=「『在日』の見取図」
鵜飼 哲 「二つの『呪縛』をつなぐもの」
趙 博「極私的『在日』四代記」
高柳俊男 「日本人と在日朝鮮人の『連帯』に関するささやかな模索」
金 敬黙 「東アジア人/在日外国人としてのアイデンティティを模索して」
曺 美樹 「韓留日記 ある『在韓在日』の日常」
座談会 「バックラッシュ時代を生きる」(文京洙・尹健次・辛淑玉・姜信子・金敬黙)
鳥井一平(インタビュー)「『移民社会』という近未来」
【小特集】「在日と老い」
山下英愛「父・崔碩義の晩年」
金 泰明「老いの寂寞 〈命短し 恋せよ乙女〉」
魁生由美子「在日コリアン高齢者 海のアパッチ族、最期の夏」
【小特集】「古代史を考える」
李 成市「『在日』にとっての古代史とは何であったのか」
松浦峻大「朝鮮民主主義人民共和国学界の古代史を読み解く」
【エッセイ・論考など】
安田菜津紀「ルーツを巡る旅、刻まれなかった女性たちの歴史」
殿平喜彦「安倍晋三元総理の銃撃死と日本の暗部」
文 京洙「済州四・三を考える 在日の被害実態調査から」
金 明弘「『イカゲーム』社会と尹錫悦政権の憂鬱」
金 鍾太「私の日韓現代史 日韓経済の狭間を生きて」
朴 文順「『あらかじめ与えられた子』を育てるための私的家族考」
尹 健次「死に向きあう」
【詩・短歌・書評など】
[映画評] 岸野令子(ヤン・ヨンヒ『スープとイデオロギー』)
[詩] FUNI・ラッパー
[短歌] 凜七星
[書評] 佐藤泉(趙秀一『金石範の文学』)、崔 真碩(早尾貴紀・李杏理・戸邉秀明編『徐京植 回想と対話』)
[グラビア] 宋 富子(裵 昭)
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