「在日総合誌『抗路』12号」
- 1500円+税
- 四六判 234頁
今号も多彩な執筆陣による充実の内容で、「在日」問題を、そして「日本」社会を考えます。
山口県宇部の海底炭鉱「長生炭鉱」の犠牲者への追悼式、「佐渡島金山」労働者追悼問題にも言及。
本書に「希望と連帯を求めて 強制労働者の記憶と帰還」をご執筆いただきました、元韓国文化人類学会長、鄭炳浩(チョン・ビョンホ)氏が去る12月8日に逝去されました。享年69。ご冥福をお祈りいたします。
10年間にわたり、「在日」問題を取り上げ続けた書籍『抗路』の終刊号。
多くの出会いとともに、ひとまずここでお別れです。
皆さま、ありがとうございました。またお会いいたしましょう。
「光を見た ハンセン病の同胞(きょうだい)たち」
- 趙根在(チョウ・グンジェ)
- 定価2420円(税込)
- 四六判 336頁
炭鉱からハンセン病療養所へ。
炭坑夫から写真家へ。
稀有な写真家はいかにして誕生したのか。
療養所での労働の担い手としての、ハンセン病の記録者としての、朝鮮半島出身者及び在日朝鮮人の存在を抜きにして、日本のハンセン病史は成立しない。
日本のハンセン病史を語る上で決して忘れてはならない表現者(写真家・文章記録者)である趙根在(チョウ・グンジェ)の存在を広く知ってもらうために、彼の書き綴った回想録と撮影写真48点を収録。また、回想録のほかに、炭鉱での労働体験と、上野英信との出会いと別れにも触れた文章と、父世代の在日朝鮮人一世への聞書も併せて収録。
愛知県生まれの在日朝鮮人2世の元炭鉱労働者、写真家(1933年~1997年)。中学三年から炭鉱で働き、その後、映像制作現場での照明の仕事などを経て、1961年より多磨全生園を皮切りに、全国のハンセン病療養所を訪れ、ほぼ20年間にわたり、入所者、建物・施設、行事などハンセン病関連の写真を撮影する。その点数は少なくとも2万5000点におよぶ。1982年以降は、写真撮影から離れ、ハンセン病問題の根源を問い直す研究に打ち込む。撮影フィルムやその他の文書類(メモやファイル)などの資料は国立ハンセン病資料館に所蔵されている。
写真集に『趙根在写真集 ハンセン病を撮り続けて』(2002年)、『詩と写真 ライは長い旅だから』(1981年、詩・谺雄二)、監修書に『写真万葉録・筑豊』(全10巻、1984~86年、共同監修者・上野英信)がある。