「崔承喜と現在」
- 徐 希寧
- 本体3200円
- 四六判 ハードカバー 260頁
近代朝鮮「民族舞踊」と、それを体系化した後継者・崔承喜の舞踊作品は、どのように現在に引き継がれているのか。
どのような経緯を辿り、そしてどのような人々によって。
「半島の舞姫」「東洋の舞姫」といわれ、世界的人気を博した崔承喜の舞踊と在日コリアン社会との関係を論じた、初めての書籍。
崔承喜の舞踊と在日コリアン社会との関係を、舞踊現場でのフィールドワークを通して現役の舞踊家・舞踊研究家が考察する。渾身の論考!
【著者について】
徐 希寧(ソウ・ヒヨン Suh Heeyoung)
1966年、韓国生まれ。立命館大学大学院文学研究科修了(修士、文学)。同大学院国際関係研究科博士課程を経て2024年3月、博士学位(国際関係学)取得。現在、立命館大学衣笠総合研究機構コリア研究センター客員研究員。
韓国で幼少期からバレエを習い、高校生の時は舞踊部に所属し、舞踊学科の大学および大学院で舞踊に関する専門的な理論と実技を磨き、「韓国伝統舞踊」の修士号を得た後は、約7年間、各大学の舞踊学科で講師として教えた経験を持つ。日本でも韓国舞踊の指導を数多く行なっている。
「光を見た ハンセン病の同胞(きょうだい)たち」
- 趙根在(チョウ・グンジェ)
- 定価2420円(税込)
- 四六判 336頁
炭鉱からハンセン病療養所へ。
炭坑夫から写真家へ。
稀有な写真家はいかにして誕生したのか。
療養所での労働の担い手としての、ハンセン病の記録者としての、朝鮮半島出身者及び在日朝鮮人の存在を抜きにして、日本のハンセン病史は成立しない。
日本のハンセン病史を語る上で決して忘れてはならない表現者(写真家・文章記録者)である趙根在(チョウ・グンジェ)の存在を広く知ってもらうために、彼の書き綴った回想録と撮影写真48点を収録。また、回想録のほかに、炭鉱での労働体験と、上野英信との出会いと別れにも触れた文章と、父世代の在日朝鮮人一世への聞書も併せて収録。
【著者について】
趙根在(チョウ・グンジェ、ちょう・こんざい、1933年~1997年)
愛知県生まれの在日朝鮮人2世の元炭鉱労働者、写真家。中学三年から炭鉱で働き、その後、映像制作現場での照明の仕事などを経て、1961年より多磨全生園を皮切りに、全国のハンセン病療養所を訪れ、ほぼ20年間にわたり、入所者、建物・施設、行事などハンセン病関連の写真を撮影する。その点数は少なくとも2万5000点におよぶ。1982年以降は、写真撮影から離れ、ハンセン病問題の根源を問い直す研究に打ち込む。撮影フィルムやその他の文書類(メモやファイル)などの資料は国立ハンセン病資料館に所蔵されている。
写真集に『趙根在写真集 ハンセン病を撮り続けて』(2002年)、『詩と写真 ライは長い旅だから』(1981年、詩・谺雄二)、監修書に『写真万葉録・筑豊』(全10巻、1984~86年、共同監修者・上野英信)がある。